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DNA修復に関する新たな見識

研究論文概要

2012年3月

細胞核に含まれるDNAは、通常の代謝プロセスや紫外線その他の放射線および特定の環境化学物質に曝露されるなどの環境要因によって損傷を受けることがあります。このようなDNA損傷を修復し、ゲノムの完全性を維持するために細胞中にはDNA修復機構が存在します。切断されたDNAは、二つの類似したDNA分子の間でDNAが交換される相同的組換えプロセスによって修復が可能です。RecAはこの修復プロセスにおける重要なタンパク質で、切断されたDNA鎖を認識し、修復のために類似したDNA塩基配列を探す役割を担います。RecAの正確な働きについては、まだ多くの部分が明らかになっていません。Forget氏とKowalczykowski氏は、光トラップによるDNA操作や、一分子蛍光観察法によるDNAの塩基対形成の観察によって、RecAによるDNA修復のメカニズムの解明を行いました。

二重鎖DNA (dsDNA)の切断が生じると、5'末端の部位が分離され、単鎖DNA (ssDNA)を形成することが知られています。RecAは、二重鎖DNA切断に続いて形成される単鎖DNAと結合し、修復のためにdsDNAの相補配列を探します。Forget氏とKowalczykowski氏の研究は、相補配列を見つけ出すうえで、dsDNA標的の構造とRecA-ssDNA結合鎖の長さの両方が重要であることを示しています。長い標的DNA分子は立体配座における選択肢を制限し、相同的対合の速度を遅らせる一方で、長い単鎖DNAはより短時間で相同的対合を行えます。著者らは、RecAがDNA識別のために一時的な三次元接合を形成する、相同性探索における「セグメント間接合サンプリング」プロセスを提案しています。同研究のイメージングは、CFI Plan Apo TIRFシリーズ100 × 1.45 NA油浸対物レンズを使用し、全反射照明 (TIRF)装置を搭載したECLIPSE TE2000-U倒立顕微鏡によって行われました。

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